○熊谷伸一郎氏(八王子平和イベント実行委員会)経過報告

 今日という日を迎えて、実に感慨深いものがあります。

 この間、教科書問題などの具体的な実践を通じて、八王子の市民運動や労働運動は着実に共闘を積み重ね、互いの信頼関係を深めてまいりました。

 憲法問題が急を告げるなか、八王子にも憲法9条の会が誕生しました。そこで今後の協力関係を模索するため、私たち平和イベント実行委と九条の会とで、今後の連携のための話し合いの席を持ったのが、直接的には本会発足の出発点であります。

 その席上、本年4月から5月にかけて、それぞれ実施主体の異なる、規模の大きな複数のイベントが企画されていることが話題となり、やはりそれぞれで個別に取り組むよりは、できるかぎり協力しあって各イベントの成功に取り組んだほうが、今後の八王子の運動の取り組みに生きてくるのではないか、さらにイベントの成功という観点からも相乗効果が期待できるのではないかという話の運びとなりました。

  具体的には、4月24日に八王子いちょうホールで開催が企画されております映画『草の乱』上映会(同実行委員会)、5月3日の憲法集会(憲法九条の会)、5月21日の教科書集会(あぶない教科書を許さない八王子市民の会)の三つのイベントです。

 まず4月の映画上映会を中心になって企画されている、共立医療会の伊沢明さんと話し合いましたところ、従来の垣根を取り払い、幅広い共同によって上映会を成功させたいとのことでした。憲法集会を企画している八王子憲法9条の会も同じ意向であり、もちろん、あぶはちの会主催の教科書集会も超党派によって成功させようとの意向でした。

 また、造形大学の前田朗教授からも、八王子での憲法に関する活動で、さまざまな意欲的な提案がございました。その趣旨は、全国的に憲法九条の会の運動が進められているなか、一方で同時期に立ち上がった憲法行脚の会、労組中心に活動している9条連などが並立している状況について、やはりときには協力しあって集会を開催することができれば、全国にも例のない共闘運動が八王子から始まることとなるとのことで、私もまったく同感でありました。

 こうして、憲法九条の会の小倉事務局長や前田教授、私などが呼びかける形で、本年1月16日に第一回の相談交流会を開催しました。 約20名の参加者が話し合うなかで、超党派の活動家による定期的な交流と情報交換の場が必要ではないかという声が出され、大方の賛同を得たのです。

  そこで私たち青年を中心に平和連絡会の骨子を考えることとなり、 2月3日に開きました第二回会議で、この原案をもとに話し合い、平和市民連絡会は連絡機関の場という性格とすること、呼びかけ人は個人の資格で幅広く募ること、発足集会を開催することなどを決めました。 

 以上が今日までの経緯であります。今後、さらに多くの志を同じくする方々との連絡を広げ、新しい場を、より充実した場として準備してまいりたいと思っております。

 平和・護憲、さらに市民的自由の擁護という点での超党派の協力関係が、この機会に築かれますなら、八王子の平和のための取り組みにとって大きな画期となる、実に有意義なことではないでしょうか。それはきっと全国的にも意義のあることに違いありません。ともにがんばってまいりましょう。

○小倉英敬氏(八王子憲法9条の会)趣旨説明

 小倉です。
 皆さんとは他の会合でもお会いしている方が多いようですが、昨年の12月24日の話し合いのなかから、さまざまな経緯を経て、本日の発足の集いにいたったしだいです。

 本日お集まりいただいた方には、あらためて趣旨を説明するまでもなくご承知のことと思いますが、若干、私の個人的な感想を交えて、平和市民連絡会の趣旨の説明をさせていただきます。

 お手元に配りましたのは、八王子平和市民連絡会の設立趣旨と目的と性格です。この目的で述べられていますように、八王子で「憲法・平和・人権に取り組む諸団体と個人の情報交換と交流の場とする」と書かれてあります。

 私は八王子に在住してからまだ6年しか経っていないのですけれども、八王子におきましては、過去、戦後だけでなく数十年のあいだに、平和運動・労働運動など、さまざまな運動の蓄積があるわけです。ですから、できるだけ諸団体が共同で情報交換を続けながら、話し合いを定期的に続けていける場としていきたい。団体でも個人でも参加できる場所としていきたい。

 目的として憲法改悪反対と市民的自由の擁護を掲げております。連絡会の発足の一つの契機になりましたのが、やはり憲法問題です。昨年6月頃から憲法問題を取り上げる運動が盛り上がってまいりました。それまでも9条連をはじめ、憲法を取り上げてきた諸団体もあるわけです。それらの運動の盛り上がりのなかで、憲法問題を取り上げていく大きな流れが出てきた中で、この八王子平和市民連絡会設立の契機も出てきたのではないかと思います。

 連絡会は、憲法と市民的自由という二点を結集軸としたネットワークです。呼びかけ人はすでに50名以上の方が取り組んでおりますけれども、今後は組織参加なども進めていき、諸運動が連帯していけるような場になっていくことが望ましいのではないかと考えております。すでに、八王子憲法9条の会は組織参加することを決めております。他団体におかれましても、参加を検討していただければと思います。

 現在の国会を見ておりますと、自民党と民主党の保守二大政党制となっており、保守層以外の利益が代表されるような真の意味での第二の軸が求められていると思います。もちろん連絡会は先ほどの二点を軸としていくわけですけれども、ただ視野に入れておきたいこととしては、真の意味での第二の軸となるような集団的な主体の形成ということです。もちろん、これまでの議論にたって、情報交換をしながら交流をしていくことですけれども、一人ひとりの立場からは、次の課題を視野に入れておくべきではないかと個人的には思っています。

 今後はさまざまな問題について、できるだけ共同し、協力しあって取り組んでいき、全国的に発信していけるような運動に発展していければいいと希望しています。設立後の具体的な活動ですが、八王子の運動の情報配信とあります。これは発信と言ってもいいでしょう。まずは八王子において憲法擁護・市民的自由の擁護の運動をおおいに盛り上げ、この八王子のモデルを築き上げていくことができれば素晴らしいことだと思います。

 世界的に見ましても、地域的な運動は非常に重要性が高まってきております。私がかかわってきたラテンアメリカの運動についても同じことが言えます。

 

○ディスカッション「憲法と八王子」

  阿部昭三氏(日本ペンクラブ・三多摩9条連)
  伊澤明氏(元八王子労働組合総連合議長)
  小倉英敬氏(八王子憲法9条の会事務局長)
  松田奈津子氏(八王子平和イベント実行委員会)

(原稿整理中)
 

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最終更新日 : 2005/04/29

 

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